「何がどうなっているか分からない」からの脱却
AS400(IBM i)で動いている基幹システムに関して、多くの企業様がまず口にする言葉があります。 「どこに何があるのか、誰にも正確には分からないんです」
RPG言語で構築された基幹システムは、当時の現場担当者の手によって改善・追加が繰り返され、結果としてドキュメントの欠落や属人化が進行。それでも長年“動いていた”ために、現状把握が後回しになっている企業も少なくありません。
しかし、再構築やDXの第一歩は、「見える化(可視化)」から始まります。

可視化の重要性とは?3つの理由
① 業務ロジックの把握
処理の流れや分岐条件、DBの構造など、プログラムの中に埋もれている業務ノウハウを取り出し、誰が見ても理解できる状態にすることが必要です。
② 移行工数の見積もり
何本のプログラムがあり、どれだけの修正・移行が必要なのか。定量的な移行計画を立てるには、資産の全体像を把握しておくことが前提となります。
③ PoCや段階移行の設計
いきなり全体を作り替えるのではなく、まずはPoC(概念実証)や一部機能の段階移行を行うためには、依存関係や処理単位の整理が不可欠です。

GICの可視化アプローチ
弊社GICでは、AS400/RPGシステムの可視化に特化した支援を行っています。特徴は以下の通りです。
使用ツール:IBM「PLANET/COMET i」
→ https://ncsa.jp/it-services/management-solutions/comet-i
RPGやCOBOLなどのIBM i上のソースを静的解析し、構造図・ER図・モジュール依存関係・呼び出し関係図などを自動生成します。
可視化作業の担い手:RPG熟練SE(50名体制)
ミャンマー・宮崎・東京拠点に在籍するRPG技術者が、ツールでは拾いきれない業務ロジックも補足しながら、設計書を作成します。
ミャンマー人SEは日本語対応も可能で、コストと精度の両立を実現しています。
成果物:Java再構築に耐えうる設計資料
単なるソースの変換ではなく、再構築に必要な機能一覧・データ項目一覧・バッチ処理図・画面遷移図など、現代の開発チームがそのまま使える形式で提供します。

実際の事例:大手小売業における可視化プロジェクト
2024年、GICではある大手小売業様の在庫管理システム(AS400/RPG)について、全体可視化プロジェクトを実施しました。
- PLANET/COMET iによる静的解析
- RPG経験者による業務知識の補完
- Java開発部隊への連携を前提とした再構築仕様書の作成
その結果、PoCへのスムーズな移行と、リスクの少ない段階的再構築が可能となりました。

まとめ:「見えれば、動ける」
可視化は“準備”ではなく、“再構築の第一フェーズ”です。
現行システムを正しく理解し、価値ある資産として活用することが、将来の安心・安全なモダナイゼーションにつながります。
GICは、AS400システムの見える化からPoC、段階的な移行までをトータルに支援いたします。
