こんにちは。GICミャンマーの小林です。毎月恒例の「ミャンマー最新情報」、今回は2025年8月1日更新版として、現地の政治・教育・人材育成などの動きについてお届けします。現地で感じているリアルな変化や、弊社の取り組みを通して見える「いまのミャンマー」をお伝えできればと思います。
1. 非常事態宣言がようやく解除へ
7月31日、ミャンマー国軍評議会(SAC)が「非常事態宣言」の解除を正式に発表しました。この非常事態宣言は、2021年2月のクーデター以来、延長に延長を重ねて続いてきたものです(本来は1年+最大6ヶ月延長×2回までが憲法上の想定。しかし現実には、7回も延長されていました。)
今回の解除により、憲法上は今後6か月以内に総選挙が実施されることになります。タイミングとしては、今年2025年12月頃になると見られています。
ただし、総選挙が行われるといっても、実質的には国軍の総司令官が「暫定大統領」として引き続き政権を握る構図は変わらない見込みです。また、選挙に向けて治安が悪化する懸念もあり、日本大使館からも同日付で注意喚起が出されています。
現地では、ヤンゴン中心部は比較的落ち着いていますが、軍や警察、政府関連施設の周辺には近づかない、写真撮影は避ける、といった基本的な行動ルールを守ることが安全確保には不可欠です。

2. 新たな政体「国家安全保障平和委員会」が始動。労働・教育政策に注目
SACに代わって、新たに「国家安全保障平和委員会」が設置されました。この委員会によって、連邦政府の構成も再編されることになりました。
弊社の事業にとって特に重要なのは、労働省と教育省の大臣が交代した点です。日本就労関連の制度運用や、現地の教育行政に直結するため、今後の施策変更や通達内容にしっかり注目していく必要があります。
(写真2)地震で建物が被災したネピドーにある労働省本省。筆者は社員の転勤VISAで本省まで呼び出しを受けた経験があります。

3. 大学キャンパスにも少しずつ日常が戻りつつあります
2021年のクーデター以降、大学進学をあきらめる若者や中退者の増加が社会問題となっていました。ですが、ここ1〜2年ほどで都市部の主要大学には学生たちが戻ってきており、ようやく教育機関としての機能が復活しつつある印象です。
弊社も昨年から、コロナ禍と政情不安で中断していた大学生インターンシップの受け入れを再開しました。特に今年度は、日本(宮崎)への開発体制シフトを意識して、新卒採用の受け皿を広げています。

4. 過去最多!インターン生47名の成長に手応え
2025年度のインターンシップは、5月からスタート。全国の主要なIT大学、コンピュータ大学、工科大学のうち7大学から事前面接で選抜した合計47名(ヤンゴン35名・マンダレー12名)を受け入れました。弊社としては過去最多の人数での実施です。最終日の7月31日には、大学毎に編成した9チームのOJTプロジェクトの評価結果を発表。上位3チームには表彰を行いました。プロジェクトの内容も、チームの完成度も、昨年よりレベルアップしていて、若手の成長を目の当たりにできる喜びを感じました。
この中から選抜された4名は、9月に日本での短期研修に参加します。今回は、候補者が多いため、インターン期間中に学んだ内容をもとに技術エッセイ(英文)を提出してもらい、その内容も評価の参考としました。技術理解・論理構成・表現力、どれをとっても水準が高く、「今年のインターン生は本当に頼もしい」と実感しました。
なお、多くのインターン生は、10月から新入社員として正式に弊社で働く予定です。



5. IT JobFairを9月28日開催予定!採用/視察も歓迎です
今年も弊社の採用イベント「IT JobFair」を開催します。日程は9月28日(日)。ヤンゴンではホテル会場にて、マンダレーではリモート形式での実施を予定しています。
インターンに参加していない新卒層や、すでに社会人経験を持つIT人材との接点づくりを目的としたイベントです。参加企業としてのご参加はもちろん、視察や現地の若手人材層の調査という位置づけでも歓迎しております。
ご興味のある方は、ぜひお気軽に弊社までご連絡ください。
6. 最後に:現地の「生の情報」をこれからもお届けします
今回は、非常事態宣言解除から教育・採用の現場まで、ミャンマーの「いま」をかいつまんでお伝えしました。現地にいるからこそ見える肌感や変化を、発信していきたいと思っています。
もっと知りたいこと、気になる話題などがあれば、ぜひ個別にお知らせください。日本・ミャンマーの架け橋として、少しでもお役に立てれば幸いです。
それでは、また次回の更新で!