グローバルに活躍するエンジニアにとって、言語の壁はパフォーマンスに直結する重要な課題です。特に日本のIT現場では、日本語でのコミュニケーション能力が業務の理解度やチーム連携に大きく影響します。
社員の日本語能力向上に向けた継続的な取り組み
弊社では、300名を超えるミャンマー人IT技術者が在籍し、日本国内外で活躍しています。現場での活躍をさらに支援するため、全社的に日本語能力の向上支援に取り組んでいます。具体的には、JLPT(日本語能力試験)N1〜N5レベル別の継続学習の仕組みを構築し、日常業務と並行して無理なく日本語学習ができるように工夫しています。
AI×社内ツールで実現した「手軽で継続できる」学習環境
今回の取り組みでは、以下の技術とツールを組み合わせ、Microsoft Teams上で気軽に日本語の練習ができるAI学習Botを構築しました。
- Microsoft Power Platform
- Power Automate:定時トリガーや回答記録の自動化
- Power Virtual Agent:対話形式で練習問題を出題
- OpenAI API:社員のJLPTレベルに応じた問題の自動生成(文法・語彙・読解など)
- Microsoft Teams:普段使いのチャット環境でBotと対話、学習継続を促進
技術構成イメージ:
- Teams上でBotに話しかけると、現在の自分のレベル(例:N3)に応じた日本語の練習問題が出題されます。
- 回答を入力すると、自動で正誤判定+解説が提示され、学習記録も保持されます。
- Power Automateが定時でリマインドを出すことで、継続をサポート。
- 学習履歴をもとに、個別の強化ポイントもAIが提案。
学習の「日常化」で、自然にスキルアップ
Teams上で気軽にBotに話しかけるだけで学習ができるため、わざわざ別アプリを開く必要がありません。社員からは「毎日のちょっとした隙間時間で勉強できる」「ストレスなく続けられる」といった声が寄せられています。
今後の展望:発話練習や評価連携も
今後は、音声による発話練習や学習履歴の可視化ダッシュボード化、さらには昇格評価(社内BAND制度)との連携も視野に入れ、AIを活用した多面的な言語支援の強化を進めていく予定です。