GICミャンマー代表 小林
1.マンダレーの復旧状況
3月28日(金)に発生したマンダレー大地震から2ヶ月が経過しました。現地は徐々に落ち着きを取り戻し、一部のホテルが営業を再開したため、5月29日〜30日の2日間でマンダレーへ出張しました。
- マンダレー空港の状況
地震発生から1週間後には空港が再開されましたが、館内にはまだ震災の爪痕が残っています。到着ロビーは比較的被害が少ないように見えましたが、壁タイルの剥がれやトイレ施設の約半数が故障したままとなっていました。
一方、出発ロビーは甚大な被害を受けており、現在もヤンゴン行きのチェックインは旅客ビルではなく、貨物ビル内の臨時カウンターで対応しています。完全復旧にはなお相当の時間がかかりそうです。 - 空港から市街地までの移動
通常、空港からマンダレー市街までは高速道路を利用しますが、現時点では寸断されているため、一般道を経由して向かいました。市街地では外観上、崩壊した建物は思ったほど多く見られませんでしたが、外側は問題なく見えるものの内部に大きな損傷を抱えた建物が散見され、閉鎖中の店舗が目立ちました。特に、自動車販売ショールームでは大きなガラスが割れたまま修復されず放置されているケースが印象的でした。 - 当社マンダレーオフィスの状況
当社オフィスは大型商業施設「Mingalar Mandalay」内にあります。施設全体が大きなダメージを受けたため現在も閉鎖中で、復旧作業が順次進行しています。弊社エリアの修復工事は6月から着手予定であり、完了まではあと2〜3ヶ月を要する見込みです。
震災後のオフィス閉鎖期間中、社員には在宅勤務を依頼し、長時間の停電やインターネット接続の不安定さを工夫しながら業務を継続しています。また、昨年から開始した教育事業「GIC Career Gateway(旧:Academy)」の学生については、仮教室や教師の自宅を借用して、授業を再開しています。
今回の出張では、在宅勤務が続いて直接顔を合わせる機会がなかった社員同士の交流を図るため、夕食会を開催しました。久しぶりの再会に皆喜び、和やかな時間を過ごすことができました。


ビジネスの新たな可能性を発見!ミャンマービジネス視察ツアー2025
ミャンマーで日系企業最大の規模と実績を持つ当社GICグループが、特別な視察ツアーを企画しました。急成長するミャンマー市場の魅力を肌で感じ、オフショア開発や人材採用の現場を直接見学しながら、成功事例を学んでみませんか?詳しくはこちら
2.出国制限の拡大と手続きの遅延
2025年1月末の労働大臣交代を受け、海外就労の条件見直しを理由に、2月よりOWIC(海外就労許可証)の発給が一時停止されました。さらに、3月28日の大地震によりネピドーの労働省本省も甚大な被害を受けたため、水かけ祭り明けまでの約2ヶ月半、OWICの発給が停止されていました。
- OWIC発給再開後の変更点
水かけ祭り休暇後、OWIC発行は再開されましたが、以下のように大きく制度が変更されています。- 送り出し機関ごとの申請枠制限(日本向け)
送り出し機関あたり、月15名までしか求人票を提出できなくなりました。 - 高度専門職(技人国等)の男性に対する発給停止
18歳〜35歳の男性について、送り出し機関を経由しない高度専門職ビザ保持者でもOWICの発給が停止されました。昨年までは、徴兵対象年齢の男性であっても、高度専門職者は出国が許容されていましたが、今年に入り男性の出国制限が厳格化されています。
- 送り出し機関ごとの申請枠制限(日本向け)
- 現在の手続き状況
女性および徴兵対象外の男性についてはOWIC発給が再開されたものの、申請件数が急増したため手続きが大幅に遅延し、数万人が発給を待っている状況です。
当社を含む日系企業は、日本大使館を通じて出国制限の緩和を陳情していますが、現時点では明確な見通しは立っていません。今後、非公式ルートによる不法越境者が増加する懸念もあり、引き続き状況を注視していきます。



ミャンマーIT就職フェア 2025 出展企業募集
例年1,000名以上の優秀な人材が集まるミャンマー最大級の採用イベントです。多くの日本企業が出展し、300名以上の優秀なミャンマー人材の採用や育成を実現しています。優秀な海外人材の採用を検討されている企業様からのご応募をお待ちしています。詳しくはこちら
「話せるLP」で商品紹介がもっと魅力的に!
ChatGPTとキャラクターを組み合わせた対話型チャットボットで、ただ読むだけのLPから“体験できる”LPへ。ブランドの世界観をそのまま伝えられる、新しいマーケティングのカタチをご紹介します!詳しくはこちら
状況に変動があれば、当ブログにて随時ご報告いたします。今後ともよろしくお願いいたします。

小林 敏晴
こばやし としはる
筆者プロフィール
GIC Myanmar Co., Ltd. Managing Director
1983年 KDD(現KDDI)入社
2014年-2018年 ミャンマー国営通信事業者MPTとKSGM
KDDIと住友商事との合弁会社とのJoint OperationにおいてIT部門を担当
2019年 GIC入社 主にオフショア開発を含む受託開発を担当
2021年 GICM代表に異動