新体制下で進む規制とEV増加 ― スマートフォン登録制度などミャンマー最新事情

こんにちは。
ミャンマー在住の小林です。
現在はヤンゴンを拠点に、日系企業のITプロジェクト支援や人材育成事業などに携わっています。このブログでは、現地で活動している立場から、ミャンマーのビジネス環境や社会の変化についてお伝えしています。
ミャンマーでは選挙後の新体制のもと、金融・交通・通信などさまざまな分野で新しい規制や制度が導入されています。制度の目的は、経済管理の強化や密輸対策、資源不足への備えなどとされていますが、都市部では市民生活や企業活動にも徐々に影響が出始めています。
今回は最近話題になっている制度と、ヤンゴンでの実際の様子についてまとめてみます。
銀行の現金引き出し制限と両替事情

ミャンマーでは2021年以降、銀行システムの安定維持や資金流出の抑制を目的として銀行からの現金引き出しに制限が設けられています。金融システムへの信頼維持と資金管理の強化が背景にあるとされています。
こうした状況の中、日系企業の中には日本から会社資金を現金で持ち込み、市中の両替商でチャットに交換して運営資金とするケースもあります。
しかし最近は両替商でも現金不足が見られるようになっています。
事前に連絡していても
1か所の両替商で換金できる金額は100万〜200万円程度
ということも多く、必要な資金を用意するために複数の両替商を回る必要があるケースもあります。
銀行システムの制約に加え、市中の現金流通量そのものが十分ではないことが背景にあるようです。
電子タバコの禁止

2026年に入り、電子タバコ(Vape)や加熱式タバコなどの関連製品の
・輸入
・販売
・所持
・使用
が禁止されました。
この措置の背景には健康政策の強化があります。特に若年層を中心に電子タバコの利用が広がりつつあることから、公衆衛生上の観点で規制が導入されたとみられています。
ただし現時点では、市中で利用している人に対する厳しい取り締まりはあまり見られていないようです。今後、輸入や販売を中心に取り締まりが強化される可能性もあります。
燃料不足対策による自動車利用制限

最近ヤンゴンでは、自動車の利用制限が導入されました。
ナンバープレートの数字によって
・奇数日は奇数ナンバー
・偶数日は偶数ナンバー
の車のみ走行できる仕組みです。
この措置の背景には燃料供給不安への備えがあります。
中東地域ではイラン、イスラエル、アメリカなどを巡る軍事的緊張が続いており、原油価格の上昇や海上輸送への影響が懸念されています。ミャンマーは石油製品の多くを輸入に依存しているため、こうした国際情勢の影響を受けやすい構造となっています。
政府は将来的な燃料不足に備え、都市部での燃料消費を抑制する目的でこの制度を導入したとみられます。
その結果、自家用車が利用できない日はタクシーを利用せざるを得ないケースも多くなり、最近はタクシー料金もやや上昇傾向にあるようです。
スマートフォン登録制度(CEIR)

最近導入された制度の中で、外国人にも影響があるのが
CEIR(Central Equipment Identity Register)
というスマートフォン登録制度です。
この制度は、密輸スマートフォンの流通防止や税収管理の強化を目的として導入されています。
ミャンマーでは海外から持ち込まれる未登録端末が多いとされており、IMEI番号を登録することで端末管理を行う仕組みです。
現在は未登録端末にも約30日間の猶予期間があるため、ツーリストSIMを使う短期旅行者への影響は比較的少ないと考えられます。
ただし、日本とミャンマーを行き来するビジネス関係者の場合は注意が必要です。
3月末までに登録しない場合、4月以降登録時に税金が発生する可能性
も指摘されており、制度の詳細は今後の運用を確認する必要があります。
ヤンゴンで急増するEV(電気自動車)

最近ヤンゴンで目立ってきているのがEV(電気自動車)の増加です。
背景には
・燃料価格の上昇
・自動車利用制限
・EV輸入政策
などがあります。
ミャンマー政府は燃料輸入依存を減らす政策の一環としてEVの導入を推進しており、中国メーカーのEVを中心に輸入が進んでいます。
現在ヤンゴンでよく見かけるEVブランドは
- BYD
- NETA
- CHANGAN
- Wuling
などです。
価格帯としては
100〜200Lakh MMK程度の小型EV
が比較的購入しやすいモデルとなっています。
EVは今回の自動車利用規制の対象外となっているため、今後さらに普及する可能性があります。
日本でのミャンマーVISA申請の最近の状況
最近、日本のミャンマー大使館でVISA申請を行いましたが、以前と比べていくつか変化を感じました。
入国時にはミャンマーの法律を遵守する旨の誓約書への署名が求められるようになっています。日・英・ミャンマー語の書類に署名して提出する形式です。
大使館の担当者によると、最近トラブルを起こした日本人がいたこともあり、入国管理がやや厳しくなっているとのことでした。
また大使館は
・日本の祝日
・ミャンマーの祝日
の両方が休館日となるため、申請のタイミングには注意が必要です。
私が訪問した際にも、出張ベースでミャンマーへ渡航する日本人が数名VISA申請に来ており、ビジネス目的での渡航は引き続き行われている印象を受けました。
まとめ
最近の制度を見ると、ミャンマーでは
・金融管理の強化
・資源不足への対応
・密輸や非公式経済の管理
といった政策が進められていることが分かります。
ただしミャンマーでは、制度が発表されても実際の運用は現場の裁量で比較的柔軟であることも多く、現場では状況を見ながら対応しているというのが実感です。
制度の変化は多いものの、ヤンゴンの街は相変わらず活気があります。
ミャンマーでは制度や環境の変化が続いていますが、こうした現地の動きを今後もこのブログでお伝えしていきたいと思います。