小林です。
前回に続き、現地の動きや生活・ビジネスの話題をお届けします。今回は、最近のヤンゴン生活の様子を中心にご紹介します。
1)乾期の訪れ
例年であれば11月のタザウンダイン前には乾期に入るのですが、今年は台風や低気圧の影響で11月中旬まで雨季のような天候が続きました。タザウンダイン連休中も雨の日が多く、ヤンゴン市内の道路や住宅でも冠水被害が発生しました。
ただ、タザウンダイン最終日の11月4日(Full Moon Day)の午後には雨も小休止。シュエダゴンパゴダ近くの人民公園に設置されたイベント会場には、多くの市民が集まり、SNSにもにぎわう写真が多数投稿されていました。
11月中旬を過ぎてからは天候も落ち着き、ようやく乾期らしい空気に。「ミャンマーのベストシーズン」といわれる12〜1月を迎えます。
ヤンゴンの最低気温は20℃を下回り、朝晩は15℃近くまで下がることも。
日中は30℃を超えるので私は相変わらず半袖ですが、ミャンマーの方々は“冬支度”として厚手のジャケットで通勤される姿を多く見かけます。

2)チャット高と物価高
2025年度に入り、対日本円の実勢レートは30MMK/JPY前後で推移していましたが、8月下旬頃から徐々にチャット高が進行し、11月20日現在では25MMK/JPY前後となっています。
背景には円安だけでなく、国軍政府による輸入規制強化・外貨管理策が影響しているとみられています。輸入制限や国境貿易の取り締まりにより、輸入依存度の高い生活必需品が品薄となり、価格上昇も続いています。
日本円ベースで生活している駐在員にとっては、円安 × 物価高という二重苦の状況です。
スーパーでも輸入品の欠品が増え、最近は私がよく購入するスパゲティやコーンフレークなどがしばらく棚に戻ってきていません。お土産として持参していただけると嬉しいです。
また、政変以降は複数為替レートが併存していましたが、現在は銀行送金レート(Market Trading Rate)と実勢現金レートの差が縮小し、
・送金レート:23.40MMK/JPY
・現金レート:25.17MMK/JPY
とほぼ同水準に。
これまで運営資金を現金で持参する日系企業も多かったのですが、旅費をかけてまで現金を持参するメリットは薄れつつあります。
3)それでもにぎわうヤンゴン
経済低迷や物価高が続くミャンマーですが、街に出ると活気はまだまだ健在です。
●Makro 2号店がオープン
私の住居近く、Tha Mine交差点から北へ少し行ったInsein通り沿いに、タイ資本の大型スーパー「Makro」の2号店がオープンしました。
(ご存じない方は“コストコのタイ版”とイメージしてください。)
オープン直後から連日盛況で、週末はレジ前が長蛇の列。
私も散歩がてら視察してきましたが、1号店より若干小型なものの、ほぼ同じ造りでした。
ただし輸入規制の影響か日本食材や調味料はほぼ姿を消しているのが残念な点です。
日本人としては、ミャンマーに進出しているイオンさんの逆襲にも期待したいところです。


●Bar & BBQ レストランの大型化・ショー化
ミャンマーでおなじみの Bar & BBQ形式の飲食店はここ数年で急増し、店舗の大型化が進んでいます。音楽ステージを設置し、ライブバンドやボーカルショーを毎晩のように開催する店も増えました。
特に週末は大混雑で、予約なしでは入れない人気店も多い状況です。
近所のInsein通り沿いには徒歩圏だけでも
Win、Red X、iFour、Idol
などが並び、連日ステージの盛り上がりが外まで聞こえてきます。
ちなみに私は「Win」の常連ですが、外国人客はほとんど見かけません。完全にローカルの皆さんの“憩いの場”です。



2021年秋にSanchaungから移転オープンして以来、常連となったWin Restaurant。店長以下従業員とも顔見知りになり、行くと良い席を用意してくれます。ただし、ステージ近くは音楽が大きくてゆっくり会話できません。
今回は少し長くなりましたので、このあたりで。
次回は、今回触れられなかった 12月28日に予定されている総選挙についてもお伝えできればと思います。