新年明けましておめでとうございます。
GICミャンマーの代表です。
暫く中断しておりました「ミャンマー最新情報」を、再び皆さまにお届けすることとなりました。今回は、2024年を振り返る内容を詳しくお伝えします。ぜひ最後までお読みいただき、今後の最新情報にもご注目ください。(更新年月:2025年01月01日)
1)2024年2月:ミャンマーで徴兵制を正式発表
軍評議会は2月10日、国民に兵役の義務を課す徴兵制を実施すると国営放送を通じて発表。
男性は18歳から35歳まで、女性は18歳から27歳までが対象と定められており、一部専門技能を有する者は、男性は45歳まで、女性は35歳までが対象。宗教関係者や既婚女性(離婚したシングルマザーを含む)、学生、公務員などは免除される。
※2024年5月以降現在まで、兵役対象の23歳から31歳までの男性は、技能実習および特定技能の資格によるデマンドレーター(求人票)受付およびOWIC(海外終了識別カード)の発行停止が継続されている。
2)2024年6月:AEON日本人幹部拘束、価格統制違反で実刑判決
軍評議会(SAC)は6月30日、イオンの合弁会社AEON Orangeで商品本部長を務める笠松洋氏を拘束したと発表。
SACは先月からコメ流通価格の統制を強化しており、同社が基準価格より50~70%高い価格で販売した容疑で拘束。
※1か月半の拘束後、禁固1年の実刑判決を受けて日本へ送還された。2021年2月のクーデター以降、日本企業の邦人が通常のビジネスで実刑判決を受けるのは初めて。
3)2024年7月:反政府勢力、ミャンマー軍管区本部初制圧
ミャンマー民主民族同盟軍(コーカン軍、MNDAA)と市民防衛隊(PDF)合同軍は、シャン州北部ラショー市に拠点を置くミャンマー軍北東軍管区本部を制圧。
※国内に14か所にあるミャンマー軍の管区司令部が陥落したのは初めて。
4)2024年8月:ミャンマー通貨チャット急落
ミャンマー通貨チャット安が急激に進行し一時1米ドル=7,000Ks台に突入。
※ミャンマー中央銀行(CBM)断続的な外貨供給により、現在は1米ドル=4,400チャット前後で推移している。2021年2月のクーデター直前の1,330Ksに比べて1/3以下にチャットの価値が低下。
5)2024年9月:ミャンマーで大規模な洪水、60万人以上が被災
台風11号から変わった低気圧の影響で、ミャンマー各地で過去最高の降雨量を記録し、河川の氾濫も各地で発生。
※死者・行方不明者は500名以上、60万人以上が被災。ヤンゴンでも道路の冠水被害が多数発生。
6)2024年10月:ミャンマー国勢調査、集計遅れで31日まで延期
10月1日からミャンマー全土で国勢調査が開始された。当初15日までとしていたが、集計作業遅れのため31日まで期限が延長された。
※2025年11月に実施するとされている総選挙に向けた準備とみられるが、実際に調査できている範囲は国土の半分以下とみられる。
7)2024年12月:アラカン軍、ミャンマー軍西部軍管区司令部を制圧
アラカン軍(AA)は12月21日、ラカイン州アン郡区にあるミャンマー軍の西部軍管区司令部を制圧したと発表。国内に14か所にあるミャンマー軍の管区司令部が陥落したのは、北東軍管区本部に次いで2か所目。
※少数民族武装組織などの民主派勢力は、12月23日までにミャンマー国内の91都市を支配下に置いたと発表。地方部での国軍の劣勢が続いている。
2024年で一番大きな出来事は、2月の徴兵制開始発表でした。徴兵を回避するため若者の国外流失が加速、ミャンマー国内で若手人材の空洞化が大きく進んでいます。日系会社でも国外へ転職するために退職するローカル人材が急増しました。
地方部で国軍と少数民族武装組織・市民防衛隊との戦闘が激化する一方、ヤンゴンでは賑わいが戻ってきています。2024年12月31日大晦日に人民公園(People’s Park)で開催された政府主催の2025 Countdown Festivalには多数の市民が集まり新年を祝う姿がみられました。以前は政府主催のイベントへの参加を拒否する市民が多かったのですが、クーデターから4年近くが経過して市民感情に一部変化が出ているのかもしれません。
2025年はミャンマーにとって良い年になることを願います。
また、ミャンマー最新の状況はミャンマーBlogにも掲載しておりますので是非ご覧ください。